エスコート必須です

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 入場の時間直前にミリアが2人の元に到着した。 「お、お待たせしました」  思わず頭を下げそうになるが2人に止められる。 「大丈夫、時間ぴったりじゃ」 「頭を下げたら飾りが落ちるだろ。ほら」  ミゲルがエスコートの為に左手を差し出した。 「緊張しすぎで両手と両足が一緒に出ちゃって、部屋を出た所ですっ転んだんです!」 「「・・・」」 「それで、控室に戻ってハイヒールをやめてかかとの低いサンダルに変えたらドレスの丈が合わなくなって・・・」 「「・・・・」」 「マーサにもう1回着付けをし直して貰って・・・」 「「・・・・・」」 「顔からコケたのでメイクもやり直してもらって・・・」 「「・・・・・・」」 「遅くなってごめんなさい」 「「あー・・・・・うん」」  お爺ちゃんが笑顔で、 「ミゲル、ホレ。手じゃだめだ。肘な」  ミゲルが無言で肘を差し出した。 「結婚式みたいに見えるかもしれんが気にせんようにのう」  ホッホッホとお爺ちゃんの陽気な笑いが廊下に響いた。  ミリアが顔も耳も真っ赤になったのはご想像通りである。  その頃控室では 「お嬢様、流石です・・・」  マーサが疲労困憊でソファーに突っ伏していたとか、いなかったとか・・・  
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