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聖なる祈り
大神官の声を合図に2人は、壇上から降りて聖堂の中央に配置されている尋常では考えられないサイズの六角柱の結界石まで進むと掌を当てる。
真っ直ぐに伸びる六角柱は天井を突き抜けていて実は大神殿の屋根に先が突出している。
高さは推定でも15メートル位はあるんじゃないかと云われおり、周りは大人が3人くらい手を繋いでやっと届く位のサイズの巨大な結界石である。
これに対して自分たちの神聖力を注ぎ込み、満たせるかどうかを来客者達に確認させるのが承認の儀である。
普通の魔道士や魔法使いではこの大きな結界石を満たすほどの魔力供給量がない為に気絶するか、下手をすれば死んでしまうと言われている。
「それでは始めよ」
お爺ちゃんの合図で2人同時に力を流し込むと、透明な六角柱の中にまるで砂時計の砂が溜まっていくように金色の粒子が溜まっていく。
あっという間に天井まで満たされた柱はまるで金色に輝く金属の様に見える。
招待客たちがほう、とため息をつくのが聞こえてきた。
「次に『ルクス』に祈りを捧げよ」
お爺ちゃんの合図で天と地に住まう神の原型とされる『ルクス』に感謝の祈りを捧げる。
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