聖獣の承認

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聖獣の承認

「これより現聖王である、ネイサン・ルクスによる『聖獣』の承認の儀を執り行う」  これを聞いて周りにいた来客者達にどよめきが起こった。 「静まれ」  お爺ちゃんが片手を上げるとピタリとその場が静かになる。 「結界石の神聖力を天に返す」  その言葉にザワザワと小さなざわめきが起こるが、それを聴きながらニンマリ笑いながら壇上から降りて行くと金色に輝く結界石に掌を当てるお爺ちゃん。  途端に、満たした時と反対に上に上にと金色の輝きが登り始めた。  六角柱の結界石が透明なクリスタルのような透き通った柱に戻ると、 「「「「おお~」」」」  どよめきが会場を満たす。 「ミゲルよ、メルをここへ」  え、という顔になるミリアを他所にミゲルがパチンと指を鳴らすと、大きな白猫が2人の足元に突然現れる。  後ろ足で立ちあがり優雅に貴族の礼をするメルヘン。 「お呼びでしょうか」  コレには来賓客も驚いたようで、ザワザワと驚きの声が広がる。 「メル、聖王の言うとおりに」 「はい。畏まりました」  メルはスルリと猫らしい動きで、お爺ちゃんの足元へ近寄っていく。 「メルや、本来の姿に戻りこの結界石の中に神聖力を注ぎ込むんじゃよ」  お爺ちゃんがニコニコしてメルに言い聞かすと一旦首を傾げてから 「仰せのままに」  そう答えるとブルリと体を震わせて一瞬で本来の姿である例の羽根の生えた2メートルの猫に戻り結界石の表面に自分の額をくっつける。  会場が驚きで一瞬ザワついた。 「ああ、モフモフ・・・」  ジュルリと涎を垂らしそうになり、咎める眼差しをミゲルが送っているのにハッと気がつくミリア。 「スミマセン・・・」 「涎に気をつけろよ」 「はあい・・・」  
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