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「そうじゃなあ、ミゲルを護ろうという気持ちを魔力として可視化してこの部屋に拡げて見せよ。其れが一番お前には分かりやすいじゃろうて」
「はい、承りました」
メルが身体をブルリと震わせると4本の足元から直線状の銀色の光が四方八方に床を走り抜け壁に当たると金色の光が四散し、それと同時に大聖堂の天井から金と銀の入り混じった雪がチリチリという鈴の音をさせながら降ってくる。
出席者の頭や肩に当たると鈴の音を残しながら儚く消えてしまう。
「メルの祈りは、やはり慈しみより守りの方が強そうじゃのう」
「警護主任です故」
メルは元のフワモコの大きめの猫サイズに戻ると来客者に向かって恭しく貴族の礼をした。
「ここに居るのは、世界で唯一の聖獣、『メル・ルクス』じゃ。この者も神の子として本日より名を連ねる。これにて本日の承認の儀は終了じゃ」
大神官が片手を上げて宣誓すると、その場の全員が恭しく現聖王と新たに『ルクス』を名乗る2人と1匹に頭を垂れるのであった。
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