公園にて

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「こないだエステ界のカリスマって言われてたなんだっけ、名前忘れたけどオバサンがいたじゃんあの人がポックリ死しただろ?」 「お、おう? うん、いたなそういや。新聞にも載ったんだよな」 「その人が趣味でさ、ネット上で昔のゲームのエミュ鯖を色々立ち上げてて、その中に兄貴が関わってた『乙花』もあったんだよ」 「へー」 「でさ、兄貴が死ぬちょい前に裏ルートがバグってばっかで腹立つってブツクサ言ってたの思い出してさ、やってみたんだよね」 「おまえな・・・ で?」 「裏ルート行くのに表コンプ必須でさ・・・」 「やったのか」 「やった・・・」 「30男が、乙女ゲー・・・」  ちょっとだけ2人共が遠い目になった。 「で?」 「それがさ、全然バグとかなくてさ」 「会社が仕上げたんじゃねーの?」 「いや、これ兄貴が死んでから直ぐに凍結したんだよ。PTA連合の突き上げがすごくてさ。人命を軽んじる会社のゲームは教育に良くないとか言ってさ」 「へー」 「だから、未完成なまま終わってたはずなんだよな」 「でも、完成してたって事か?」 「うん。しかもこの主人公性格が全然違うんだよ表ルートともバッド・エンドとも」 「えー、どゆこと?」 「表とバッドは純真可憐で、守ってあげなくちゃ~ ってヒロインなんだけど、王弟ルートだとなんつーか脳筋? なんだわ」 「脳筋! ヒロインが脳筋なの?」
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