公園にて

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「しかも筋肉強化メニューに失敗したら、罰ゲーム。運動せずに大人しくお着替えゲーになる」 「何だそれ。何か面白いな」  思わず笑う友人。 「脳筋聖女なんだよなー・・・」 「脳筋聖女!」  ブッと吹く。 「それがさ、やってるうちにこの聖女って兄貴にそっくりだなって思っちゃって・・・」 「えー・・・ お前とおんなじ顔で聖女。ナイナイ・・・」 「顔じゃなくて、中身だよ。何か、かわいい動物好きで、虫オタク。不器用で、一生懸命でさ。乙女ゲーなのに本人が奥手で全然恋愛しねーの。難しくなったら、直ぐに馬力で解決するし、あと大食い!」 「大食いの聖女!」  咥えようとした煙草がブッと飛んだ。 「なーんかストーリー進めてるうちに、コレって兄貴がゲームに入り込んじゃってんじゃね? ってなってさあ」 「オカルトになってきたぞ、オイ」 「いや、なんかさ、死んでもゲームを完成させてやるって気合いでヒロインに生まれ変わったんじゃ? て気になってさあ~」 「諦めずに聖女に生まれ変わったってことか? またまた~」 「それくらい性格が似てんだよね。あと行動とかも・・・ めっちゃ兄貴を思い出すんだ」 「へえー・・・」 「なんかさ、あ、兄貴ここで生きてんじゃんて気になっちゃってさ。ちょっとだけホッとしたんだよ」  そう言って圭吾は眉尻を下げる。
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