向日葵の咲く頃

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私は自分の体裁と内申点アップと生徒会へ入る為に、朗読劇に参加することにした。 生徒会もこのイベントに何名か参加することになるから。 フフ、なんて打算的……。 でも、私には魅力も才能も無いから、泥臭くあるしかない。 そうしてでも、証明していくしかないんだ。 お父様に認めてもらうために。 私が私を認めるために。 「やぁ、お嬢さん。決意を固めてるところ悪いけど、ちょっと良いかい?」 「へ?あ、はい、すみません……!」 参加者が集まる講堂のドアの前で立ち止まっていた私の肩に手を置かれた。 慌てて中に入って振り返る。 「ありがとう、慌てさせてごめんね」 「い、いえ」 周りからの視線を浴びつつ、足早に空いてる席に座る。 「あ、会長!」 「やぁ、今年もよろしくお願いするよ」 周りが鷲黒(わしぐろ)会長よ、とヒソヒソ、キャーキャーとざわめき出す。 容姿端麗のさっぱりとした性格で色々な人から好かれている現生徒会長。 中等部時代から人気だったわね。 「あら、そちらの方は?」 「あぁ、そうそう。今日はこの子のことでちょっと頼み事もあってね」 さぁ、と背中を押されて後ろに隠れるようにしていた生徒が前に出る。 「あた、じゃなくて、私、桜木舞と言います!よ、よろしくお願いします!」 短めの金髪の髪を勢いよくなびかせて頭を下げる。 外国人?でも、流暢な日本語ね。 「そんなに畏まらなくても大丈夫だよ」 鷲黒会長は桜木さんの頭をポンポンと叩く。 周りはまたキャーキャー小声で騒ぎ出す。 「彼女、桜木さんは二学期からこの学園に編入してくるのだけど、持ち上がりが多い生徒の中ではなかなか馴染めないかもしれないからね。この朗読劇に参加させてもらいたいのだけど、どうかな?」 「えっと、はい、大丈夫ですけど……」 「ん?あぁ、彼女は日本人だよ、クォーターだけど日本生まれ日本育ちさ」 「は、はい。日本語しか喋れないです……あはは」 「あ、そうなのね!ごめんね?、私、英語苦手だからどうしようと思っちゃって?」 あはは、と金髪の彼女は愛想笑いを続けていた。 「じゃあ、もうすぐ説明始めるから、座って待っててください」 「分かったよ、ありがとう。さぁ、座ろうか」 「は、はい」 そしてちょうど私の座る方に歩き出してきて、すれ違う時に目が合った。 「……」 彼女は慌てて目を逸らす。 だけど、吸い込まれそうな程にその瞳は青くて、ガラス玉のように綺麗で私は一目で魅了されてしまった。
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