向日葵の蕾の頃

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「ただいまー!子猫ちゃん達!」 「ふしゃー!」 日が沈みかけた頃帰ってきたと思ったら、いきなり後ろから抱き絞められたのでその相手を威嚇した。 「おかえりなさい。かえかえ先輩」 今日はボクが餌食になった事でホッとしている蓮乃。 ちょっとは助けようとしてよー。 「暑いので離してください」 この時は無駄に抵抗しないのが、一番だというのがここ数ヶ月で学んだこと。 「私も暑い……だが、断る!それ以上に私は萌えたぎっているから!」 訳が分からない。 「いやー、咲弥のお陰で会長の萌えな一面を見れたからね。しょうがないんだよ」 「さいですか」 もう、されるがままにギューギューナデナデされる。 力はこの舞台女優様には敵わない。 演劇も身体が資本、ということで部活でトレーニングとかもやってるしね。 たっぷり五分後にやっと開放された頃には触れていた部分が一気に冷えて少し鳥肌が立った。 「それで、マ……会長がどうかしたんですか?」 「ん?あぁ、いつも私に隙なんてありませんから、みたいな淑女で近寄りがたいのに、今日はやけにぽわぽわしてたからね」 「ぽわぽわ?」 蓮乃が両手を上げてにぎにぎとしながら不思議な踊りをした。 とりあえず流す。 「そうなんですか?」 まぁ、前よりは近くに感じられたけど、まだ遠さは感じる。 なんで、あんなに嬉しそうな顔はするのに、舞は……。 「君は本当に不思議な子だね、咲弥」 「さくさくは不思議ちゃんなの?」 「それは蓮乃には言われたくない」
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