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「歩いてきました。家から一キロほどの距離だったので自宅から徒歩でここまで来ました」
「ありがとうございます。質問は以上になります。すみませんね、こんな他愛もないことばかり聞いちゃって」
「とんでもないです」
「では、これからが本題です。堤さんにはこれから夢を見てもらいます。飯野さん、いつものやつある?」
「こちらにあります。どうぞ」
飯野はそう言いながら篠ノ井に液体の入っているコップを渡した。
「堤さんには、これを飲んでもらいます。この飲み物を飲むことで夢を見ることができるようになります。ですが、これには睡眠作用もあるため、急激に眠気が襲ってきます。そのため、こちらのベッドで横になっていただきたいです。眠っている間にも簡単な治療をさせていただくので、すみませんがご協力よろしくお願い致します」
「分かりました。これを飲めば今晩から夢を見られるんですよね?」
「ええ、間違いなく」
堤は手渡されたものを飲み込み、ベッドに横になる。
その後、初めのうちは三人で会話していたが、次第に堤の声が小さくなっていった。
篠ノ井と飯野は堤が眠ったことを確認すると、小指の爪ほどの大きさのチップを堤の額に埋め込んだ。
「これで大丈夫ですね。後は堤さんが目覚めるのを待つだけですね」
「そうだね、今はどの夢を見ているかな」
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