第1章

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   ある夢を見る。 とはいっても、毎日その夢を見るわけではなく、3日に1回とか4日に1回とかの間隔で。  雨上がりの日、1人の人物と一緒に虹を眺めていた。その時俺は制服を着ていて恐らくは学校の帰り道の出来事だったのだろう。  東の空に虹がかかり、それがとても綺麗でその人物が俺に綺麗だと言い笑う。俺も綺麗だと答えた。でも、なによりもその人物の笑顔が綺麗でそれを夢の中で俺は絶対に忘れない、と思った。  でも実際の所夢の中ではその人物は全体が靄がかかっていて、どんな表情かも分からないはずなのに何故か知らないが何処かで見たような記憶があるんだ。不思議だよな。   なんて、つい今程起きた寝起きの頭でそう考える。枕元で鳴り続けるスマホのアラームを止め、ノロノロと上半身を起こしふあ、と欠伸をし頭をぽりぽりと掻いた。  「……」 ーーまあでも所詮夢だから気にしなくてもいいんだけどね。  「…顔洗いに行こ」  このままボーっと過ごしていたら遅刻をしてしまうので、ベッドからゆっくり降りて顔を洗うため部屋を後にした。    
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