第1章

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 ーーそれから俺は授業の時間と昼休みを使って日本史の課題をし、なんとか終わることができた。  「終わったー、あー疲れた」    手にしていたシャーペンを机の上に置いてううん、と両手を伸ばしたりしていると近くの席で一緒に昼食を食べていた河村と三宅良真(みやけりょうま)が声をかけてきた。  「お、やっと終わったかー」  「ああ。なんとか…」  「よかったなあ終わって」  もう忘れないようにしねえとな、と河村に言われ俺は頷く。…日本史の課題って何気に面倒なんだよな。  「さて、さっさと出しに行ってきて早く亮達ん所行こー」  「おー。行ってらー」  そう言う河村達に軽く手を振り俺は教室を後にした。階段で一階へ降り職員室へ向かう。職員室の扉を軽く叩き失礼しますと言って扉を開けた。自席で書類作業をしていた宮本先生を呼ぶとこちらに目を向けた。  「日本史の課題、出しにきました」    「お、分かった。今そっち行く」  そう宮本先生が答え椅子から腰を上げこちらへ歩いてくる。持っていた課題プリントを渡すと宮本先生はそれを受け取り、眺めた。  「ん、大丈夫だな。次からは気をつけろよ」  そう言い宮本先生は目を細め微笑んだ。マスクしてるからあまり表情はわからないが…、しかし  (元気ないなあ)  1年でクラス担任だった時はもっと元気あった気がするんだけど、やはり今の宮本先生はどこか元気がないような気がした。  「先生なんか最近元気ないですね。そんな花粉症酷いんですか?」  …思わず口にしてしまい宮本先生が驚いた表情をするが、まあ仕方ない。気になってたしな。  「…花粉症か。まあ、そんな所だな」  少し黙った後宮本先生がそう曖昧な言い方をした事に首を傾げたがへー大変ですね、と軽く言っておいた。  「河村も陽貴も心配していましたよ。花粉症早くマシになるといいですねー、じゃあ」  そう宮本先生に話した後俺は職員室を後にしようとする。めっちゃ腹減ったし早く亮達んとこ行ってご飯食べよ。  「高瀬」  「え?」  職員室を出る直前、宮本先生に引き止められ俺は疑問に思いながら先生を眺めた。  「……速水とは仲がいいのか」  「え、陽貴と?まあ、クラス違いますけど仲良いですね。それがどうかしました?」  俺の問いに先生は少し黙ったあと、「……いや、なんでもない。引き止めて悪かったな」と言い残し自席へと戻っていった。  「…?」  先生の様子にますます意味が分からなくなるが、まあ同じクラスならまだしも別クラスの俺が転校生の陽貴と仲良いのが不思議に思ったんだろうな、と考え俺は気にせず職員室を後にした。
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