隔たり

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「いってくるよ。」 いつもと変わらない朝 あの人は革靴を履いて、玄関に駆け寄る私を待つ スーツ姿のあの人は それはもうかっこよかった 「今日も多分、遅くなるから。」 「うん。わかってる。」 「じゃあ、いってきます。」 「いってらっしゃい。」 抱きしめて キスをする それが朝のおまじないだった あの人がドアを閉めるまで 私は手を振り続ける 無事に帰ってきますように 早く 帰ってきますように
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