プロローグ

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『バーテンダー件用心棒募集』 『用心棒』という、今どき珍しい響きに惹かれ、龍二はそのBARを訪れた。 普通なら、接客業は愛想がいい人間が採用されるけれど、用心棒なら話は別だろう。 __ 「あら!いい男」 明らかにゲイである松浪(マツナミ)という男がその店のオーナーであり、ママだった。 坊主頭の細身の身体に白い光沢のあるシャツを着、アクセサリーを重ね付けしている。 龍二のことをひと目で気に入り、アルバイトに採用してくれた。 「よろしくお願いします」 龍二は、とりあえず食い繋げることにホッとして頭を下げる。 ゲイだと言っても好みがあるだろうし、そうそう、好かれることも無いだろう。 少し緊張していると「大丈夫よ、取って食ったりしないから」と笑われてしまった。
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