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プロローグ
『ここの校則、変えてみませんか』
15年前、突如言われた言葉を思い出す。
にやりと笑うあの不気味な校長の顔も、楽しそうな声も、全部昨日のことのように頭に浮かぶ。
あの日から、それまでの見方がすべて変わった。
規則というものに窮屈さを感じ、なにかにいつも苛立ち、それでも誰かに理解してほしいと奥底で叫んでいた、中学生のあの日。
もがくことの格好悪さと格好良さを知った。
大人になるにつれて、忘れそうになる出来事。
それでも、忘れないように、今もがいている。
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「美津」
そう言われ、顔を上げると見慣れた顔があった。
「結、久しぶり」
結は笑いながら、美津の隣に腰を降ろした。
「久しぶりっていうか、まぁ1ヶ月前にも会ったけど」
「そうだけど」
結は買ってきたカフェオレとコーヒーを選ばせた。
美津は迷うことなく、カフェオレを選ぶ。
「ありがと」
「それ、中学から好きだよね。飽きない?」
「全然」
美津はそう言い、美味しそうにカフェオレを口に含んだ。
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