6「草のにおい!」

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6「草のにおい!」

心地よい風が麻斗を包み込んでくれてしばらく浸っていたが、やがて決心したように腰を上げて川原に戻る事にした。再び木々を抜け草の堤防既に来るとやはりうんざりするくらいのゆだるくらいの日差しが待っていた!既に川辺では釣り糸をたらしたさっきの学生たちが座り込んでいた。麻斗がばけつを投げ出してきた場所とほぼ間近だったが幸いにも草に隠れて見つかってないみたいだ! 「ううう、僕のお気に入りの場所があ〜!(-_-;)」 また、いちゃもんつけられるのも嫌だし、麻斗はちょっとはなれた位置から草木をかきわけると目立たないように会話をしてる学生たちを気にしながら忍者みたいに、浅い川を渡った。けれど、渡り終わってほっとため息をついた時、「パパパパン!」と何か弾けるような激しい音が耳を襲った。 びっくりして心臓をバクバクさせながら草の間にすわりこんでしまうと、あの学生たちがふざけながら何かやってるのがわかった!爆竹か!麻斗が彼らに目を向けると、ひとりが手に持った爆竹に火をつけてふざけて地面に投げていた。最初からいろいろいちゃもんつけてきた学生のようだった。何度も火をつけ他の仲間に向けて転がしたりしていた。「まじこえ〜!」「健司、やめろって!」ふざけて遊んでいる、やつらはどう見ても釣りを楽しんでいるようにはみえなくて、麻斗にはただ迷惑でしか無かった!たぶん、つりが退屈で始めたのかもしれないけどこの場所で騒いてほしくないな!麻斗は心の中で不満を言いながら早くバケツとたもを持って帰ろうと草を踏むたびに飛び跳ねてくるバッタか何かの虫を踏んだりしないよういそいそ迫りついた!ちょうどこちらの様子はやつらが釣りしてる川と枝分かれして背の高い草木が隠してくれて、みえない! バケツを見つけほっとする麻斗。けど爆竹の音がひびいてくる間、なんとなく向こうに渡り戻りたくないなと眉間にしわをよせ考えていると、バケツの中に1匹のザリガニ以外、ほとんど魚がいなくなっているのに気づく!周りをきょろきょろ見渡すと炎天下に干からびたとおもわれる小魚たちが散乱していた。 「ええ〜?なんでこんな…!Σ(゚Д゚)」 それを見て後から、麻斗は溢れるくらい水をいれてしまっていたバケツと何も考えずにほうりこんでしまったザリガニに後悔した。そりゃ魚もせまいバケツの中でびっくりするわけだよ! (-_-;) 麻斗「なんて日だよ!ほんとに!ヽ(`Д´)ノ」 さっき神社で濡らしてしまっていた服もズボンもすっかり太陽や草の熱気で乾いたけど、再びじっとりと吹き出できた汗でしけってしまった。それ以上に、わずらわしく鼻につく草のにおいが余計に麻斗の心をイラつかせた! 313b4426-f5e8-4b86-a4b8-dcd2839b612d
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