第六章 虹を織る丘 青

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 しかも、その美少女はそのままハードルでも超すかのように柵をと飛びえたので、俺達は慌てて受け止めた。 「この先、まだ工事中だから危ない!」 「え、本当!ごめん、助かった。ありがとう!」  美少女は、加登 夢明と名乗り、隣の小学校に通っていると教えてくれた。 「俺は、上城 瑛人」 「俺は、宝生 大河」  夢明は、帰り道で桃の線を見つけ、同じ様に坂を駆け上がってきたらしい。  すると、西の端にあった赤い線からも、少年がやってきた。そして、溜息を付きつつ歩いてやってきて、オベリスクを見上げた。 「何だ、コレ、何か意味があるのか?」 「オベリスクって奴らしい」  俺が応えると、少年がじっと俺を見つめて、横を向いた。俺が、無視されたので宝生の所に戻ろうとすると、少年は慌てて振り返った。 「人間だったのか?動いている!!」 「人間だよ!動くよ!」  少年は樫山 誉令(かしやま ほまれ)と名乗った。年は俺達と同じで、私立の小学校に通っていた。  俺達は、この公園を囲んで住んでいたのに、初めて会った。  公園は建設途中で、まだ総合運動場に続く道が無かった。他にも、柵のある階段があり、完成すると、丘に向かって階段の伸びる公園になるらしい。 「青と白の先は、普通の住宅街でしょう?新しく出来た学校は、どう?」  夢明の学校は昔からあるもので、かなり古い校舎に、ボロボロの体育館らしい。 「まあ、俺達は転入生だから。そっちの学校は知らないけれど、全部、新しいよ」  俺の住んでいる地区は新興住宅地で、学校もほとんどの生徒が、転入生という学校だった。
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