第一章 タイムカプセル 花

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 店にはテラス席もあって、注文が遅いと怒鳴っていた。 「あの、俺で良ければ手伝います」 「あ、ごめんなさい。いつもは、両親もいるのですが、父が腰を痛めてしまって、病院に行ってしまって」  俺は地方誌の記者という事になっているので、頼み易かったらしい。 「…………いいのですか?」 「いいですよ」  どうも、二人は姉妹で、父がぎっくり腰になったので、店を手伝っていたらしい。俺はエプロンを借りると、定食を運び始めた。 「あの、会計は出来ないのでお願いします」 「はい!」  定食が一種類で良かった。だから、注文された順番で運んでゆけば良い。 「はい、定食二つ。熱いので、ゆっくり食べて下さい」  定食は揚げ物があり、まだパチパチと音がしていた。料理をしているのは姉のようだが、中々揚げ物が上手だ。綺麗なきつね色で、こっちも腹が減ってくる。 「はい、定食コーヒー付き!おまちどうさまです!」  俺が定食を運んでいると、色々な人が声も掛けてきた。 「兄ちゃん、どっかで見た感じがするな……どこの人?」 「ああ、何かのキャラにそっくりだ!」  そこで、何人もが一気に俺を見た。 「本当だ、アニメにあったキャラに瓜二人だ。凄いな……コスプレしていないのに、そこに世界が蘇る」 「かっこいい…………というのか……凄い」
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