第二章 タイムカプセル 氷

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 もう、明智は驚かずに、俺の探している人物を推測していた。 「だから、詳しいのですね。事件にも詳しいし、地理にも詳しい」  俺が探していたのは、赤のエンディングノートを保管している筈の、元担任であった。元担任は。持ち主の分からなかった物と、取りに来られなかった者の分を保管していた。赤のエンディングノートも、持ち主不明であったので、きっと元担任が保管している筈だ。  しかし、控えていた番号に掛けてみても、現在使用していないというアナウンスが流れるだけだった。  そこで、刑事の同居人に電話してみると、死体が発見されたので、それ所ではないと切られてしまった。そこで、挫けそうになったが、俺はもう一度、電話を掛け直した。 「宝生刑事、ヒントはノートだ」 『瑛人か?全く、この忙しい時に、でも、思い出した。ありがとう』  短い会話だが、宝生の居場所が分かった。着信された場所を推測すると、そこは港付近の倉庫で恐らく死体は、凍っていた。 「明智、事件が発生しているみたいだけど、行ってみるか?」 「行きます!」  そこで俺は、駅前でタクシーを探すと、港まで行って貰った。 「いいのですか?勝手に捜査して…………」  タクシーから降りると、広い港の片隅に、怪しい集団を見つけた。そこで、先程、電話で話した宝生の姿を見つけ、俺は溜息が出た。  目立たないように行動しているのかもしれないが、刑事というものは、かなり異質だ。それは、堅気ではないという雰囲気と共に、かなり浮いている。 「勝手に捜査しているのではない。これは、アスミに繋がっている事件だ」  現場に近付くと、警官に止められてしまった。そこで、倉庫の写真を撮ると、下がって拡大してみた。
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