第一章 タイムカプセル 花

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 正確に言うと、事件当時は身内では無かった。その後、身内になったのだ。 「ええええ?????」  しかし、明智は事件自体をよく知らなかった。 「現場の今の写真も欲しいし、明智、一緒に行くか?…………」 「はい、同行します!」  俺はカメラを持つと、明智と事務所を出た。  十年前の事件というのは、この土地からアイドルが出た事から始まる。それは凄い人気で、この何も無いような土地が、一気に有名になった。そのせいなのか、当時は駅前にも店が増え、明るい綺麗な町に見えた。 「…………寂びれたな…………」 「田舎の駅前など、どこも同じようなものですよ」  駅前からバスに乗り、運動公園で降りる。事務所から歩ける距離だが、その後の登り坂を考えると、バスでの移動が好ましい。陸上競技場から坂を上りつつ、振り返ると、駅までの直線の道が見えた。  陸上競技場から続く公園は古く、坂道には傾斜の少ない迂回路と、階段が混じる急坂があった。その急坂を上ると、頂上にオベリスクが立っていて、囲むように丸い広場があった。 「ここも、ボロボロになったな…………」 「古い公園ですから」  オベリスクから四方八方に伸びる線は、そのまま、それぞれの出口に繋がっている、 「この桃色を辿る」 「タイルの色ですか?汚い色ですね」
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