第六章 虹を織る丘 青

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 夢明の家の周辺は社宅が多く、しかも古い建物が多かった。そして、今までは公園も無かったらしい。そこで、夢明は、この公園が出来上がるのを待っていたという。 「ウチはさ、ボロボロで小さくて…………親は仕事しているし、お客さんも来るからさ、店が閉まるまで、いつも、どこかに行っていろと言われる。やっと歌って踊れる場所が出来た!」  夢明は、かなりの美少女で、でも大人しいという感じは全く無かった。そして、夢明の笑顔は眩しく、日に焼けた肌も輝いている。  しかも、夢明は顔の造形も綺麗で、手足も長かった。しかし、踊り出すとワイルドで、ややコメント出来なくなる。 「上手いけれど…………」 「うん、上手い。けど、ボス猿?」  夢明は踊ると、どこかのボスの貫禄さえある。  俺が正直にコメントしていると、樫山が大受けしていた。 「ボス猿………………ははははは、ピッタリだ」 「酷い!!」  しかし、本当に夢明は、歌もダンスも上手かった。自己流だと言っているが、動画で学んでいると言い、動きを完全に模写できる。柔軟性もあり、バネもあるので、プロのダンサーになりそうだ。 「そっちは、何のスポーツをしているの?」 「俺は、剣道と柔道、将来は刑事になりたい」  宝生の両親は公務員で、市役所に勤めていた。俺の両親も公務員なので、そういう面でも知り合いであった。 「…………俺は、何もしていない」  前は体操クラブに通っていた。しかし、世分の体調が悪くなってから、母はノイローゼ気味になり、送迎が出来なくなった。そこで、俺は自転車でクラブに通っていたが、付近で交通事故が多発した事により、辞めさせられてしまった。
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