第六章 虹を織る丘 青

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 そして、このメンバーと俺達の妹が加わり、よく公園で喋るようになった。  まず、夢明はよくこの公園で、歌いながら踊っていた。そして、俺の妹の千鶴と、樫山の妹の日菜子は、夢明のファンになってしまい通い続けていた。 「宝生、何回、世分の見舞いに行く気だ?」 「何度でも」  俺の家庭は崩壊寸前で、父親が家を出て行ってしまった。すると、母のノイローゼが酷くなり、世分という子供は、始めからいないと言い出した。  だから、千鶴も家にいる事を怖がり、公園で過ごすようになってしまったのだろう。俺も不安で一杯で、とても家にはいられなかった。 「母方の爺ちゃんが来てさ、俺達を引き取ると言ってきた…………母さんと父さんは、離婚するのかな」 「え、世分が遠くに行ってしまうのか???」  たまたま、宝生が見舞いに行った時に、世分が目を開けた。そして、世分は不思議な事を言った。
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