第一章 タイムカプセル 花

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「誰が書いた物なのか確認する為に、皆で中身を見ていた。そして、アスミの死により、注目を浴びた」  そのノートの中には、級友たちの死に方が図解入りで書き込まれていた。そして、明日美のページには、丁寧に色鉛筆で塗られた絵があった。 「その絵には、嘘つきの死と題名があり、真っ赤なドレスを来た明日美が、パイプで心臓を貫かれて死んでいる所が描かれていた」 「だから、未解決事件と言われているのですか……偶然ですか?」  タイムカプセルが埋められたのは、明日美が中学三年の時で、その一年後に掘り返された。その時は、明日美はアイドルの絶頂期で、事故はまだ発生していなかった。 「偶然なのか、殺人なのか?だから、皆も死を終わらせられないでいる。曖昧だから、引き摺ってしまうのだろうな……」  自分が解決するのだと、マニアが今もやってくる。それ程までに、明日美の死は綺麗であった。これだけ綺麗な死に方ならば、明日美も満足したのかもしれない。そう思えるほどに、犯人からは憎しみを感じない。むしろ、明日美に同情し、願いを叶えたという感じさえしてくる。  俺が喫茶店で会計をしようとすると、昼になったのか、急に店が混み始めていた。それは、本当にてんてこ舞いという様相で、とても会計と言える状態では無くなっていた。 「定食二つ、急ぎ!」 「こっちも、定食、コーヒー付き!」  ここは喫茶店だが、定食もやっていたらしい。しかし、昼に備えて作り置きはしてあったようだが、店員は二人しかいなかった。それも若い女性が二人で、一回にやっと二個の定食が運べる程度だ。
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