名もなき魔法

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 歩いていこう。  二人の結婚にプロポーズの言葉のようなものがあったとしたなら、多分君のあの言葉がそうだった。  結婚してからも、二人の在り方は大きく変わらなかった。むしろ、変わらないことを体現するために、その約束があったのかもしれない。  二人が重ねていった日々のすべてを、僕は覚えている。  君と歩く日々は、本当に幸せだった。悲しい過去を思い出しても、隣で君が笑ってくれていることで、僕の心は何度だって救われたんだ。
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