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それからの僕たちは、出来うる限りの密度で思い出を作り続けた。残された時間を使って、一生分の記憶を穴埋めしようとした。
彼女もそれを望んだし、僕も最初からこうすればよかったんだと思った。
いつか僕が独り、その思い出に打ちひしがれたとしても、それがなんだっていうんだ。その時の君には、何よりも思い出が必要だったのだ。
宣言どおり、君は世界で一番、わがままになった。そして、僕はその望みを叶えることにした。
美しい景色を見た。
美味しい食べ物を食べた。
数え切れないくらいキスをした。
君は、たくさん写真を撮った。
「あなたは全然写真に写ろうとしないね」と、よく笑っていた。
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