すずしろの花の顔はフォトノフォビア

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 お医者さんに()てもらったら、画像恐怖症候群(がぞうきょうふしょうこうぐん)(俗にフォトノフォビア)という診断がつきました。  大きい病院で大層な検査をしてもらい、脳波を調べたのですが、残念ながらあなたが見ることのできる絵は、スーパーリアリズムの絵だけだ、と告げられます。スーパーリアリズムとシュルレアリスムはほぼ同じ言葉(超現実(ちょうげんじつ))ですが、その内容は正反対のものです。脳波を調べた結果、あなたは本来シュルレアリスム(現実を超えた世界)を見ようとしているのに、認識できるのはスーパーリアリズム(現実的すぎる世界)だけなので、脳が錯覚を起こしているとのことです。  ぼくはそうなんですね、とそのとき返事をしましたが、正直その診断が何を意味しているのかわかりませんでした。
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