すずしろの花の顔はフォトノフォビア

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 少しでも絵に触れられないかと美術史の本を漁って読みました。もちろん掲示されている絵を見ることはできなかったのですが。シュルレアリスムの作家はルネ・マグリットやサルバドール・ダリなどの作家が有名であることは知っていますが、作品はマグリットの顔がりんごの人間を描いた絵とダリの顔がベーコンになった自画像などがあるということを、文章のみで知ることができるだけです。    カウンセラーには以下のことを言われました。現実の世界に対して何か強い恨みがあるとか、現実逃避をしたい人にとって、リアルを突きつけられると痛みや恐怖を伴うことがある。それがトラウマとなって押し寄せることがある。現実の生々しい画像全般に対して本来起こる病気であると(のち)の医者の説明で言われましたが、正直思い当たる節がありません。私は逆で、生まれてこのかた、現実的な世界しか見られないのですから。確かにときどき辛いことはあるけれど、それは人並みの辛さであり、その人並みの辛さがあるからこそ人並みの幸せを感じることができるのだと思っています。次第に医師は診断を間違えたのかな、と思ってしまいましたが、様々な要因を自分自身でも調べていくうちに、ぼくと同じ病気の患者を探し当てました。
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