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そんな絶望感に襲われていたぼくに、一筋の光明が降り注ぎました。彼女からぼくのアカウントに対してメッセージが届いていたのです。
“エイジさん、最近はお忙しいのでしょうか。病気の面で辛いこともあると思います。どうかお身体と心を大切にしてくださいね。何か私にできることがあれば、遠慮なく言ってくださいね。お返事待ってます。”
彼女の優しい言葉がとても響きました。ぼろぼろと出てくる涙をこらえながらやっとのことで返事をコメントしたのでした。
“すずしろさん、ありがとうございます。いっしょにフォトノフォビアに向き合い、たくましく生きてゆきましょう。”
それからしばらくして、返事のコメントとともに、ある動画が添付されて送られてきました。
“ずっと絵を描いているときに、すずしろさんは私の絵を見ることができないのかなと悲しんでおりました。私は写真のようにリアルな絵は描けませんが、なんとかしてエイジさんに私の絵を見てもらえないかと模索してがんばりました。”
そこには、かわいい大根のキャラクターが歩くアニメーション映像が描かれていました。
“ふふ、かわいい大根ですね。すずしろさんがひとりで作ったのですか?”
ぼくがコメントすると、すぐに反応が返ってきました。
“すずしろは大根の別名ですので、私の分身ですね。いいえ、ひとりで描いたのではありませんよ。きっかけはエイジさんが与えてくれたのですから。ふふ。”
嘘でもそんなことを言ってくれるなんて、とても嬉しいな。
“ぼくとあなたで、同じ世界を観ることができましたね。ありがとうございます。”
“はい、エイジさんがよかったら、今日から私があなたの目となっていいでしょうか? これからもずっと同じ世界を模索しましょう。”
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