憑き物探偵?いえ、ただのオタクです。

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「……ストーカー?」  思わず失礼な言葉を吐いてしまう。  だって、見られた。私の禿げているところ。  しかも、お皿って――。 「ストーカーくらいするさ。僕は憑き物オタクなんだから」  螢川くんは、丸い眼鏡を正すと口角をくいっと上げた。  え、何……? さっきから何が起こってるの? 「あの、えと、螢川くん……だよね?」 「そうだよ」 「あの、何て言ったの? ……ツキモノオタク?」  螢川くんは、腕を組んで深く頷いた。 「憑き物。悪霊とか、妖怪とか。そういう類のものだよ」  妖怪――。  その言葉に、心臓がイヤな音を立てた。 「あぁ。だからさっき、河童とか言ってたの? ていうか酷すぎじゃない? そこまでじゃないと思うんだけ」 「いや、そこまでになる。僕には合葉さんの未来がはっきりと見えるよ」  冷や汗が、つーっと脇汗から流れていった。    何。何を言ってるの……。  螢川くんの言いたいが、全然分からない。分かりたくもないのに、あの、いつも熱心に読んでいる真っ黒な本が脳裏に浮かんでしょうがなかった。
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