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「あぁ、わかった。友達と喧嘩でもしたんでしょ?」
どうせ、と決めつけるみたいに軽い口調で言うから。私はムキになってすぐに言い返した。
「友達なんか、いなくなった」
「え?」
「朝、挨拶しても、誰もこっちを見てくれないもん」
しん、と静まり返って、その内、「えっ……」とお姉ちゃんの小さな声が聞こえてくる。
「何それ。無視されてるってこと?」
うん、と頷くと、また静寂が訪れた。
……どうよ、こんな可哀想な妹で。突然、何もしてないのに皆から口聞いて貰えなくなることなんてそうそう無いでしょ? だから言いたくなかったのに……こんな、恥ずかしいこと。
気まずくなって、ひとり歯を食いしばっていた。もう、このまま自室に入っていってしまおうかな。そう思った時――
「あっはっは! なーんだ、そんなことかぁ」
お姉ちゃんの、からっとした笑い声がこだました。
振り返ると、お姉ちゃんは腕を組んで頷いている。
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