細い身が絡まり合い、一本の紐となる

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(御守りの紐、昨日の僕達みたいだなぁ……なんてね)  実はさっきから御守りの縁の紐が昨日の絡まり合う男女の様子をイメージ付けてしまっていて (ヤバいな……僕、やっぱり狂ってるのかも)  その突飛な自分の考え方に自ら引いていたところで、そのイメージ付けももしかしたら僕自身の願望なのかなとも思う。 (花ちゃんの前で恋結びの御守りなんて買えなくて思わず花ちゃんと同じものにしてしまったけれど、秘かにこの気持ちを紐に込めても罰は当たらないよね……?)  そう思いながら、手を繋ぐ花ちゃんに気付かれないよう……僕は御守りが入った花ちゃんのショルダーバッグをしばらく見つめていたのだった。
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