花から求められる犬と、主人との約束

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 だから給料も手渡しだし名目も「お小遣い」だ。しかもそれが税金の法に引っかかっているのかさえ分からない。  それ含めてケースケくん達と僕は違うのだから、あの時ケースケくんから言われた『楽で羨ましい』の言葉はちゃんと受け止めて日々真面目に仕事しないといけないし、同じくらい自分の中で引っかかっていた。 「リョウくんは綺麗好きだから30分のインターバルも勤務終了後もきっちり清掃してくれるから助かるけど、正直そこまで綺麗にしてくれるのはケースケくんとリョウくんの2人だけなんだよね。他のセラピストはみーんな雑っ!  コウくんに至っては勤務後の清掃をしない上に使用済みリネンもその場に置きっぱなしでさ、俺も幹も陰で愚痴ってるんだよ」 「えっ?そうなの?」 「ケースケくんは確かに、リョウくんの予約が取れなかったお客様をコウくん達セラピストに配分される件を気にしているよ。  中堅セラピストが暇になるのは良くないからリョウの担当分を割り当てられるのはお金を得ることになるけどリョウのコースは単価が低いし指名料が入らない。中堅がその文句言ってるのをトップのケースケくんはちゃんと耳に入っているんだろう。だからリョウにケースケくんは『楽で羨ましい』と言った……それが言葉の本意だと俺は思うよ」 「……」
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