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樹くんは優しい口調で僕に話してくれているんだけど、内心少しイラついてるんだな。と話の内容で理解した。
「でもね、俺や幹の立場としては『文句言うなら細かい部分まで気を抜かずしっかり仕事しろ』って言い返してやりたいんだよね。他の店みたいに営業しなくていい分楽な筈なんだようちの店は」
「じゃあ……僕は何も気にしなくていいの?本当に」
「そうだよ。逆に来週から枠増やす事によってコウくん達に目に物見せてやろうよ。それでコウくん達が暇持て余すようになるのなら、所詮あいつらに実力も女性への気遣いすらも無いって意味になるからね」
樹くんは僕が入力し終えるのを待ってくれて、タブレット端末返却をする為一緒にご主人様の部屋へ向かう。
「そういえば太地くんはご主人様からバレンタインチョコ貰った?」
「ううんタイミング合わなくて貰えなかったんだよね」
「そっかぁ、大学のテストがあったから急いで帰ったんだったよね。チョコはタブレット置き場にあったんだから摘んで口に入れるくらいしておけばよかったのに」
「なんかそういう余裕もなくてさ……今年のも美味しかった?」
「美味しかったよ。今年は神戸までわざわざ行って買ってきたんだってさ♪気になるショコラティエが居るお店……とか香織が言ってたかなぁ」
「ご主人様の事だから20代のイケメンさんなんだろうね」
「そうそう、香織の好みドンピシャのね!」
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