朝日

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朝日

延々とうだる暑さに辟易して、ようやく家に帰りつく。 頭の中には風呂かビールしかない。両方でもいい。早くありつくのだ。そういう情念みたいな感覚が、全身を支配していた。そう、たしかそのときだったはずだ。いまはもうそんな記憶も懐かしいほど、心も体も変わっている。 そうして俺は夢を見た。会社帰りに、あの夜空にバーンとはじける何かだった。きっとあれは流星なんだろう、と俺は夢の中で不確かにそう思ったとき、目が覚めた。 ああ、ほんとうに、朝日が容赦なく照りつける部屋に、それはいた。 俺は鏡の前で立ちつくした。そこには巨大な一匹の虫、がいたからだ。
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