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なぎさ:あれ何?
わたし:ねぎだよ。
なぎさ:ねぎかぁ。てっぺんのもしゃもしゃしたのがかわいい。
わたし:葱坊主だね。
なぎさ:まんまだねー
ねぎ坊主取れば野菜になるのかな
わたし:ねぎって色の名前に多くなってるね。
萌葱浅葱目に涼やかに蕎麦手繰る
なぎさ:手繰る?
わたし:食べること。蕎麦だけに言うかな。
なぎさ:ふうん。ラーメンやうどんには言わないんだ?
わたし:言わないね。東京以外では言わないような。
なぎさ:は、はーん。……ちょっと気取ってる?
わたし:おまえは、もう!
なぎさ:いっぱいあるねー
ししゃもより色とりどりの鯉のぼり
わたし:意図的に子どもっぽく詠んでるだろ?
なぎさ:違いますー。純真な心ですー。
なぎさ:いいとこだね。ここが蓴菜の池なの?
わたし:……違うみたい。とほほ。
なぎさ:えー! ま、いいや。まったねー
蓴菜を求めて湿地にたどり着き
わたし:句を詠んでくれて助かったよ。
なぎさ:えっへん!
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あの角を回れば夏の君がいる
なぎさ:いいね、いいよ。
わたし:拙の句の神髄を漸く悟りしや。
なぎさ:よし! 夏服買いに行くぞ!
わたし:ん? なんか勘違いしてるな。
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