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「承知致しました……。」
「では、そろそろ訓練にでも行ってこい。次は怪我するなよ。」
「はい、お師匠様の背中を見て努力致します。」
ペコリと一礼すると、弟子は静かに部屋から出ていった。怪盗Zはそれを見届けた後、床下にあるボタンをそっと押す。すると、何もないはずの壁がゆっくりと開き、小さな隠し部屋が現れた。
「ふう……。今日も疲れたなあ。全く、弟子の面倒を見るのも楽じゃないな。」
怪盗Zが独り言を言いながら隠し部屋に入った途端、扉が自動で閉まった。この仕掛けは彼自らが考案しているため、ここを突破されることはまずないといっていい。
「まあ、この生き辛さに比べたらマシだけどなあ。仮面を外せるのがここだけしかないとは。」
怪盗Zは溜息をつきながら、仮面をゆっくりと外した。
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