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両親の馴れ初め
レオナルド2世は不運な男だった。
彼が生まれて間もない頃、隣国マーシャ王国との戦争に敗れたベルー公国は、かなり不公平な和議を結ぶ羽目になった。そしてその条件の中に、レオナルド2世とマーシャ王国の公爵令嬢カリンとの婚約があったため、彼は成人すると同時に強制的に結婚させられたのである。
もっとも、政略結婚から愛を育む夫婦は星の数ほどいるため、それ自体が不幸とは言えない。だがレオナルド2世にとって不運だったのは、カリンの性格があまりにも悪かったことだ。
「ふん、戦勝国の私がこんな所に嫁いできてあげたのよ。感謝なさい!」
「気安く触らないで! こんな小さくて何の魅力もない国、本気出せばすぐに潰せるんだからね。」
「あーあ、お父様ったら酷いわ。なんで可愛い娘をあんなのと結婚させたのかしら。」
レオナルド2世が何も言えない立場なのを良いことに、このような暴言を毎日のように吐くのである。そのため、二人の間に愛など芽生えるはずもなく、彼の心は日に日に荒んでいった。
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