第四章 二人の想い

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『篠原くんの人気は上々でして。今度、動画に挑戦させようかと思ってるんですよ』  五木の言葉だ。  いいんじゃないか、との返事は寄こしておいたが、心は乱れた。 「動画、って。何をさせるつもりだ?」  五木は濃厚なエロから、芸術性の高いヌードまで撮れる、器用な男だ。 「蓮のヌード画像は、品があるので安心して見られるが」  ここで突然、エロをぶち込んでくる危険性もある。  飽きられればこの業界では、生き残れないからだ。 「清純派の蓮を、汚すのか?」  そう考えると、もう居ても立ってもいられない。  巴は、酔った勢いもあって五木に電話を掛けていた。 『もしもし。加賀さんですか?』 「そうだ。夜分、すまないな」 『いいえ。どうかしました?』 「実は、その。蓮の動画の件だが」  来たか、と五木は察した。  蓮が巴のお気に入りということは、百も承知だ。  そのこともあり、五木は揺さぶりをかけてみた。
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