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「どうしたらいいんだ」
酔いは、一気にさめた。
さっきまでご機嫌だった心地は、どんどん焦り沈む一方だ。
「蓮が。男優と、絡み……!」
それは、単なる仕事だ。
蓮の、ビジネスだ。
「解っている。解っているんだが!」
巴は、とにかく蓮に電話をしてみた。
尋ねて、彼が気乗りのしない仕事なら、五木に命じてやめさせる。
そんな勢いで、電話を掛けた。
「蓮、私だ」
『巴さん。どうしたんですか?』
さっき、別れたばかりだ。
忘れ物でもしたのかと、蓮は気軽に電話に出た。
「いや。その。今度、動画の撮影があるらしいが」
『はい。初めてのお仕事です』
「男優との絡みがある、とも聞いたが……」
『そうです』
淡々とした蓮の返事が、巴は返って気になった。
嫌だ、とか、怖い、とか。
そういう感じでは、全くないのだ。
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