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「嫌ではないのか? 怖くはないか?」
『お仕事なので、仕方がないと思っています』
「君はその……。そういう行為をやったことが?」
『あります。ですから、未知ではないんです』
だから、怖くはない、と蓮は言う。
『僕、オメガなので時々性暴力を受けてたんです』
「何!?」
『お仕事だったら、ちゃんとお金ももらえるでしょう? ですから、まだマシなんです』
「何と……」
巴は、絶句した。
今時の若い子は、こうも淡々と自分の性歴を言えるんだろうか?
しかも、暗い過去を。
『巴さんだから、打ち明けました。五木さんたちには、内緒ですよ?』
「私だから話した、と」
『はい。やっぱりこういうことは、秘密にしておきたいです』
「蓮」
『はい?』
「今から、もう一度訪ねてもいいか?」
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