第五章 恋

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 オレンジ色のダウンライトの下、ベッドに横たわる蓮の裸身は美しかった。  まるで、優しい春の月のようだ。 「巴さん、お願いがあります」 「何かな」 「巴さんも、服を脱いで欲しいんです」  巴は、ためらった。  服を脱げば、彫り物が嫌でも蓮の目に入る。  それが、いたたまれなかった。  だが、蓮は願って来た。 「僕を犯した人たちは、みんな服を着たままだったんです」  一度も、愛する人と肌を合わせたことがない。  それが、蓮には悲しかった。 「僕、素肌で巴さんを感じたいんです」 「辛かったな、蓮」  解った、と巴は服を脱いだ。  背中だけではなく、肩から腕に掛けて竜の彫り物が躍っている。 「怖くはないか?」 「大丈夫です」  仰向けになり、蓮が腕を伸ばしてくる。  その手を取り、巴は彼に重なった。
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