第七章 映画を

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「いや、待ってください。映画を作るとなると、大ごとですよ!? 監督をはじめ、スタッフを大勢集めなきゃいけない」 「問題ない。監督は、五木くん。君だ」 「何ですって」 「出資に糸目は付けない。優秀なスタッフを、いくらでも雇っていい」  僕が、映画監督……!  五木の胸は、躍った。  いつかは、と密かに灯していた夢が、現実のものとなるのだ。 (加賀さんは、本気だ)  五木は、腹をくくった。 「赤字になるかもしれませんよ?」 「構わない」 「評論家に、叩かれるかも」 「言いたい奴には、言わせておけ」 「本当に、いいんですね?」 「くどい」  では、と五木は巴に手を差し伸べた。 「やりましょう!」  二人の男は、がっちりと握手をした。
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