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序
何だか訳が分からない。
夕暮れ時。
突然、頭に浮かんだ、詩のような、歌の歌詞のような。
聞いたこともない、意味も分からない。
だけど、なぜだか少しだけ──ほっとする。どこかしら、懐かしい。
────────────────
♬
ガガンドドンバドン、
ががんどどんばどん、
ガガンドドンバドンが暮れたもの。
ガガンドドンバドンは、笑って暮れた。
幸せひと粒分けて、暮れた。
ガガンドドンバドンは、幸せ暮れた。
僕らに代えない笑顔で、暮れた。
ガガンドドンバドンは注いで、暮れた。
乳呑み、血の色、虹の色。
ガガンドドンバドンは窶して、暮れた。
言葉ひとつの看の重さ。
ガガンドドンバドンは、ひと筋の、
涙を砂に、挿して、逝った。
ガガンドドンバドンは、夕暮れに、
苦しいほどに、満ちて、逝った。
ガガンドドンバドンを忘れない。
勇気ひとつで欠け逝く日々に。
オレンジかすかに湛えて暮れる、
ガガンドドンバドンは涙の笑顔。
────────────────
辺りが夕闇に沈む頃、微かな笛太鼓の気配と共に、アイツ ハ ヤッテ クル。
戦乱と戦乱の間、静かな凪のヒトトキにスラ、ふと、シャクドウイロ に 錆び付いた、鈍い怒りと哀しみニ オソワれル、そんな、ダレの心にモ遍く潜む小さナ心の スキマ に入りコムよウニ、
ヤツは──やって来る。
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