〜高校生活開始〜

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〜高校生活開始〜

初めてお兄ちゃんたちと会ったあの日から、私は高校生になった。ここの家族になって6年も経つ。 「きゅーちゃん、行くよー」 うん、純お兄ちゃん 純あんまり毬を困らせるなよ 分かってるよー 、文。でも、僕はどうしても毬と一緒に行きたいんだ! 一緒に行きたいのは分かるけどよ、毬にも友達がいるんだぞ。俺らが近くにいると、毬が友達のとこに行けないだろ... いーや!友達のとこ行かせない! 何言ってるの、純…初めてお兄ちゃんたちと会ったあの日から、私は高校生になった。ここの家族になって6年も経つ。 「きゅーちゃん、行くよー」 「うん、純お兄ちゃん」 「純あんまり毬を困らせるなよ」 「分かってるよー 、文。でも、僕はどうしても毬と一緒に行きたいんだ!」 「一緒に行きたいのは分かるけどよ、毬にも友達がいるんだぞ。俺らが近くにいると、毬が友達のとこに行けないだろ...」 「いーや!友達のとこ行かせない!」 「何言ってるの、純…」 私は高校生活がスタートしてからというもの5つ子のお兄ちゃん達とばかりで学校に向かっている。それに純お兄ちゃんが私の腕を離さないからもある。 純お兄ちゃん以外のお兄ちゃん達は反対している。それに純お兄ちゃんはお兄ちゃん達の中でも末っ子で本当のお母さんがいた時まではずっと甘えていたらしい。甘えん坊くんか。 でもお兄ちゃん達イケメンだから、彼女とか女の子の一人二人なんてたくさんいるんだろうな。 私はお兄ちゃん達のただの妹な存在なだけだよね。私はそう思った途端、ズキンと少しばかり胸が傷んだ。 「毬、どうしたの?足、靴擦れした?」 「純お兄ちゃん、私は大丈夫だよ」 私は心配させないように笑顔を向けた。 私のこの気持ちもきっと邪魔なだけ。それにお兄ちゃん達に恋なんてしちゃいけはいわ。 ✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿ 「おっはよー!毬」 「おはよ~!早柚ちゃん」 私は教室の席に着くなり、親友の早柚ちゃんと挨拶を交わした。 早柚ちゃんは私とは打って違って、明るくて、元気でクラスだけじゃなくて、学年全体からの人気者の女の子。それに顔も美人だし。私とは全く違う女の子なの。 こんな女の子ならきっとお兄ちゃん達とお似合いだわ。 どうして私はお兄ちゃん達と学校まで歩いて行けるんだろう。 そんな私は周りの子達から今日も痛い視線を向けられちゃったし…。はぁ、思い出すだけで私はお兄ちゃん達とは不釣り合いの外見に顔をしているんだろうって思っちゃう。 「毬、なんか暗いね。もしかして、また友美佳たちにやられでもした?」 『あっ、早柚ちゃんやめてー!友美佳ちゃん達に水かけられたらどうしよう』 私は今にも叫びたくなった気持ちを押し殺して、冷や汗がダラダラと出てきた。 「もしかして、図星だったみたいだね。大丈夫っ!早柚がいるから!それに、あんな 学校の王子様と学校まで来なきゃいけないんだからしょうがないよね」 早柚ちゃんは私の頭を撫でて、椅子に座ってる私を後ろからハグしてきた。 友美佳ちゃん達はお兄ちゃん達のファン会員に入っているくらいに大好きな子。友美佳ちゃんは全学年からも綺麗と支持されてるような王女様でどの女の子達からも恐れられている。そしてそんな友美佳ちゃんについているのは小波ちゃんと優羽ちゃん、あと友美佳ちゃんのタックルの手強い子が愛菜ちゃん。 私は、小学校の頃から目を付けられている。今にも水をかけてきそうな勢いで私を罵る子達ばかり。 中学の時は、文お兄ちゃんのことが好きで告白した女の子をトイレに呼び出して、閉じ込めてバケツで水をかけたとかという話しがある。 私は目を付けられているだけでまだそんな目には合ったことない。このおかげは全部純お兄ちゃんのおかげなんだよね。 純お兄ちゃんはとても正義感があって、説得させるくらいの言い方ができる。その時に言った言葉が今にも鮮明に思い出される。 「僕の大切な妹の毬なんだ。君たち、毬に嫌がらせすんなよ!」 って言葉。大切な…妹……。そうだよね、私は所詮、妹なんだ。 期待なんかしちゃだめ………。それ以来、友美佳ちゃん達からの嫌がらせ行為は私にはない。
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