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思わぬ亀裂
優助との出会いから一年。大学の講義がオンラインに移行してから初めて迎える、ありがたみの薄い冬季休暇の真っ只中。
私と優助は友達の香織が企画したビデオ通話デートに参加していた。
「優助くん趣味ボンサイなに? ウケる~!」
四分割されたPC画面の右上で、私が額を抑えて下を向く。二週間くらいは優助と直接会えてない。そんな中での新年初バイトの疲れが、香織の彼氏の無遠慮な言葉で倍増した。
香織は彼氏の発言に困り顔で笑っている。注意したいけど嫌われたくないって感じだ。
「盆栽はね、木とか植物を樹形に……」
「ぷひゃひゃ! そゆのいいから」
優助が両手で宙に木を描く。可愛らしくしじみ目を細める優助の言葉を遮って、男がケラケラ笑った。何コイツ。
香織の彼氏とはいえ何様だよ。言い返してやりたいけど香織の顔も立てないといけないし、なんて言えばいいの。
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