今日もじゃがいもがソラから降ってくる……

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 ここはダンザニスという世界の、はるか南東に位置する小さな島カラリス。そして、この島にはヤッサラ村がある。  その村の軒先では一人の若者が、ソラから降ってくるじゃがいもを見ていた。  (今日もソラからドサドサと降ってくる。たまに数字らしき物が書かれた透明な袋もだ。  ん〜そういえば、なんで空から降ってくる? 見た感じだと、食べられそうなんだけどなぁ。  だけど村のみんなは、病気になるから食べるなって言うし。でも、焼いたら食えるんじゃないのか?)  そう思いその若者は、じゃがいもを一個だけ取り家の中へと向かう。  そして調理器具の中に木の枝を入れると、魔法で火を付け鉄板をのせた。  程よく熱せられると、じゃがいもを鉄板の上におく。 (ん〜、なんか不思議な匂いがするなぁ。だけど、多分大丈夫)  そう思いながら焼けるのを待った。その後、じゃがいもが焼けると若者は器に移す。 「よしっ、焼けた! 食べるぞぉ」  そう言い若者は、恐る恐る焼けたじゃがいもを食べた。だが、それと同時に顔から血の気が消え青くなる。  そして若者は、これを飲み込んだら間違いなく死ぬと感じ、じゃがいもを口から吐き出した。 「ゲホゲホッ、食べられたもんじゃない。こりゃ、まるで腐った野菜みたいだ」  そうこのじゃがいもは数百年前、この世界に亀裂が生じたせいで、異世界からある一定の周期にだけ大量に降ってくるようになったのだ。  それもどれも傷んでいる。という事は……。若者が食べたじゃがいもは、ただ単に腐っていただけだ。  その後若者は、他の者が食べないように書物に書き記し後々までも語り継がれた。  そして今日もまた、じゃがいもがソラから大量に降り続ける。__☆完★
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