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暑い…。
私の皮膚を炎症させようと、容赦ない太陽がギラギラしてくる。
ウォータープルーフSPF50の日焼け止めを朝から全身に塗りたぐって来たけれど、この太陽には勝てそうもない。肌がヒーヒー言っているのが分かる。
でももう動きたくない。
でも暑い。
無限ループ。
ん?
目を開けると、浮き輪の上にある私の体に、大きなTシャツがかけられている。
太陽が気遣ってくれたのか?
「あっ、ごめん、起こしたっ?」
声のする方を見ると、川島さんがプールサイドから見下ろしていた。
私の乗った浮き輪は流されてプールサイド近くに来ていたようだ。
しゃがんだ川島さんが浮き輪で浮かぶ私に耳打ちしてくる。
「甲斐くんに頼まれたんだよね。見えそうだって。」
「へっ?見えそうって?」
あ!
Tシャツをピラっとめくると、ビキニがズレてかなり怪しいことになっていた。
それに動揺した私は「ギャァッ」と浮き輪の真ん中から抜け落ちてしまい、水中でバタつく私を川島さんが助けてくれた。
「プハァッ、す、すみませんっ。」
謝りながら見ると、川島さんの鼻から赤いものが…。
「だ、大丈夫ですか?鼻血でてます。」
「川島さんが興奮して鼻血だしてるーっ。」
雪乃ちゃんが面白がって大きな声で言ってくるから、騒ぎに気付いた皆んなも食堂からやって来た。
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