藍白

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17時半に勤務を終え、駅に着くとそのままスーパーにより食材を購入して帰宅する。 大概は魚を焼いて、お肉系の炒め物か煮物を作り、お味噌汁…サラダ、が定番。 その日の安い食材でやりくりしている。 母は私が小学一年生になる直前に出て行ってしまった。 「朔太郎のこと、よろしくね。」 それだけは強烈に幼い私にインプットされた。 幼少期、「母親がいなくて寂しくないか?」と担任や親戚によく聞かれたが、寂しくはなかった。ただ、そんな風に聞かれてしまうような態度に見られているとしたら不本意だ。 祖父も父も兄も、本当に私に優しくて良い人間だ。 皆んなのおかげで賑やかに暮らしているのに、寂しい、だなんて態度をとってしまっているとしたら罰があたる。 それに、私は弟、朔太郎を一人前にしなければならないという、任務がある。 ごちゃごちゃ考えている暇なんぞないのである。
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