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基準がそもそも分からない私にとって、甲斐くんが私にした行為は一般的にはどんなものなのだろうか。された側のこちらとしては恥ずかしくてたまらないけど気持ちはいい。でも甲斐くんにアレの何の利点があるのか理解出来ない。だから凄く気になった。
「あー…まぁ、何だろう、な。人それぞれに応じた…って、何言ってんだ俺。って、え?何?俺変だった?」
「ううん、そうじゃなくて。男の人って大変だなと思って。ありがとう…凄く…そのー
…嬉しくて気持ち良かった。」
私は頭を下げて感謝の意を表した。
「えっ?何それ?可愛い。なんかもうさ、奈々、俺ら付き合ってみようよ?」
「いや、それは本当にやめておく。私、絶対甲斐くんに迷惑かけてしまうと思うから。」
「迷惑って?」
「んー…分かんないけど。私性格あんまよくないしさ。」
甘い缶チューハイをグビッと飲んだ。
「俺奈々みたいな子初めて出会ったわ。じゃあさ、付き合わなくていいから、たまにこうやって会うっていうのはどう?多分俺らコッチの相性いいと思うし。」
「相性とかあるんだ?まぁ、一回じゃまだよくわからなかったし、いーよ?あ、でも彼女できたらすぐ教えてね?恋愛のゴタゴタとか世界一嫌いだから。」
「うはははっ、やっぱ奈々はおもしれーわっ。うん、分かったよ。」
言いながら甲斐くんは私から酎ハイの缶を奪うと、ベッド後ろの台に置いた。
その動きの流れのまま、私の着ていたバスローブを脱がすと、首に吸い付く。
「ンッ…甲斐くん…。」
「分かってる。でももうちょっとだけ、いい?」
私の返答を待たずに、甲斐くんの唇が私の胸を這っていく。
その行為にたまらず私は背中を弓形にしてしまう。
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