血は巡る

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血は巡る

遠い記憶が頭の中で繰り返される。ふいに目が覚めた真夜中、母のキンキンした大声。ふとんをかぶってもよく聞こえてきて、不安で仕方なかった。 不思議だった。こんな大人になるわけがない。ちゃんとした家庭を築ける。そう思っていたのに。 「お前は楽でいいよな」 私の中で何かが弾けた。
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