キャラメル色の思い出

1/1
前へ
/100ページ
次へ

キャラメル色の思い出

キャラメルの包み紙を開く。骨が浮き出たしわしわの手には、不釣り合いだった。小さく息を吐いて口に入れる。 泣いていた幼いわたしにキャラメルをくれた幼馴染。薄汚れたポケットから出てきたそれが、宝石に見えたことをよく覚えている。 鼻腔に広がる甘い香りは、あの日と同じで温かいままだった。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加